“天空”の舞台裏“天空”の舞台裏

第2話 プラネタリウムでアロマ!? 想像力をかきたてる香りの演出 第2話 プラネタリウムでアロマ!? 想像力をかきたてる香りの演出

世界でも珍しいヒーリングプラネタリウム(※)が“天空”で上映されます。香りの演出を担当している「香りのデザイン研究所」の吉武利文氏に、その魅力をうかがいました。

※ヒーリングプラネタリウム
美しい星空と映像、心やすらぐ音楽、そして心地良いアロマの香りとともにお贈りする、リラクセーションプログラム。“天空”では20時の回と21時の回に上映。世界中でコニカミノルタプラネタリウムでしかない、オリジナルな香り発生器により、プラネタリウム作品の場面に合わせて香りが変化します。

パフュームデザイナーというお仕事 香りで空間を演出するパフュームデザイナーというお仕事 香りで空間を演出する

――パフュームデザイナーとして普段はどのようなお仕事をなさっているのですか。
吉武:パフュームデザイナーの仕事を一言で言えば「香りの環境演出」です。香りはBGMと同じように雰囲気づくりの一役を担うものですし、表現手段の一つでもあるのです。演出する場は商業施設やミュージアムをはじめ、産婦人科の分娩室や結婚式場、霊園など、まさに“ゆりかごから墓場まで”多種多様にあります。
――「プラネタリウムで香りの演出」は、池袋のプラネタリウム“満天”でも経験されていますが、他の施設とは違ったご苦労もあるのではないでしょうか。
吉武:香りは音のようにスイッチ一つで切り替えられませんから、2種類の香りを流す際には前の香りが残ってしまいます。そのためストーリーとの連動性を考えつつインターバルを設けるのが難しいところです。また、香りは複数の香料を調合してつくるのですが、香料にはいわゆる「拡散」 の早いものと遅いものがあります。その日の空調温度によって流れは微妙に変化するので、上映期間中に何度も調整を入れます。試行錯誤の連続ですが、経験が貴重な財産になっています。

吉武 利文さんの写真 吉武 利文さんの写真

“天空”上映作品について 森をイメージするオリジナルの香り“天空”上映作品について 森をイメージするオリジナルの香り

吉武 利文さんの写真

――ヒーリングプラネタリウム「スターフォレスト 星明りの森」では、どのようなコンセプトで香りをプロデュースしたのですか。
※「スターフォレスト 星明りの森」の上映は終了しております。
吉武:テーマは、東京スカイツリー®にちなんでツリー=木です。一方で、森の中で星を見るという作品内容に合わせて、森で過ごしている気分を香りで体験していただこうと考えました。そして「木だけではなく土や草などいろいろ混じって森なんだ」と気づいてほしいという思いから考えたのが、「フォレストアロマ」と「アースアロマ」という2つの香りです。
――フォレストアロマとアースアロマは、それぞれどんな香りなのでしょう?
吉武:フォレストアロマは“日本の木の香り”をコンセプトに、ヒノキや杉などを中心に10種類以上の香料を選んで調合しました。アースアロマは土や葉の香りが中心ですが、土も草も単独ではあまりいい匂いのものではありません。そこでフォレストアロマと同様10数種類の香料を調合し、森をイメージするような香りを創りました。

吉武 利文さんの写真 吉武 利文さんの写真

「スターフォレスト 星明りの森」の楽しみ方 森の記憶がよみがえる「スターフォレスト 星明りの森」の楽しみ方 森の記憶がよみがえる

――この作品をどのように楽しんでほしいと思いますか。
吉武:実際に森を歩いているといろいろな香りに出会うように、映像に合わせて変化する森の香りを体感できることが、今回の演出の狙いでもあります。ですから“香り体験”を通じて、一人ひとりの記憶の中にある森のイメージを感じていただければ嬉しいですね。
――吉武さんおすすめの見どころを教えてください。
吉武:今回、映像と香りのコラボレーションによる見どころは、大きく2つあると思っています。1つ目はオープニング。360度が森という壮大なスケールで、香りとともに“森の世界”に入っていくことができます。もう1つは、夜の森を体感できるシーンです。

イメージ画像 吉武 利文さんの写真

プラネタリウムへの想い 究極の癒しが体感できるところプラネタリウムへの想い 究極の癒しが体感できるところ

――実際に携わってみて、プラネタリウムで香りを楽しめる魅力はどんなところにあると思いますか。
吉武:ヒーリングプラネタリウムでは、作品の内容によってはラベンダーやローズマリーのような
単体の香りを流す場合もありますが、多くの場合は複数の香料を調合したオリジナルの香りを使っています。その香りによって森や草原や夜空を体感する、つまりイマジネーションが喚起されるわけですが、こうした想像力の高まりこそが、本来のヒーリングではないかと思うのです。恐らくそこに、究極の癒しがあるのではないでしょうか。
――今後、どのような作品でどんな香りを演出してみたいですか。
吉武:いつか、香りで妖精を表現してみたいと思っています。以前、池袋のプラネタリウム“満天”でナレーションを担当してくださった声優の坂本真綾さんの声が、まるで妖精のようにかわいらしかったのです。映像と声に合わせて、香りが生命あるもののように飛び交っている・・・・・・そんな世界を体感していただけるような作品に携われたら楽しいでしょうね。

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“天空”のおすすめポイント 「休」という漢字から察するに、木に寄り添って人は休むものなのかもしれません。東京スカイツリーを楽しんだ後は、“天空”の森で日頃の疲れを癒していただければと思っています。“天空”のおすすめポイント 「休」という漢字から察するに、木に寄り添って人は休むものなのかもしれません。東京スカイツリーを楽しんだ後は、“天空”の森で日頃の疲れを癒していただければと思っています。

プロフィール

吉武 利文 (よしたけ としふみ)
パフュームデザイナー・香りのデザイン研究所 所長。 別府大学客員教授。
大学在学中、劇団オンシアター自由劇場の研究生となる。この時の経験が「空間演出としての香り」を手がけるきっかけとなる。
現在、各種施設・イベントにおける香りの演出・プロデュース、香りのコンサルタントなど、香りに関する活動を展開。
池袋のプラネタリウム“満天”では2005年の夏から、ヒーリングプラネタリウムの香りをプロデュースしている。

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  • 第1話 美しい夜空を追い求めて第1話 美しい夜空を追い求めて
  • 第2話 想像力をかきたてる香りの演出第2話 想像力をかきたてる香りの演出
  • 第3話 幻想的な宇宙空間を目指して・・・第3話 幻想的な宇宙空間を目指して・・・
  • 第4話 スケールの大きな作品に仕上げたかった第4話 スケールの大きな作品に仕上げたかった

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プロフィール

吉武 利文 (よしたけ としふみ)
パフュームデザイナー・香りのデザイン研究所 所長。 別府大学客員教授。
大学在学中、劇団オンシアター自由劇場の研究生となる。この時の経験が「空間演出としての香り」を手がけるきっかけとなる。
現在、各種施設・イベントにおける香りの演出・プロデュース、香りのコンサルタントなど、香りに関する活動を展開。
池袋のプラネタリウム“満天”では2005年の夏から、ヒーリングプラネタリウムの香りをプロデュースしている。

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